◆第60回東京大賞典・G1(29日・大井競馬場、ダート2000メートル)
第60回東京大賞典・交流G1は29日、大井競馬場のダート2000メートルを舞台に行われた。レースは昨年の覇者で1番人気のホッコータルマエ(幸)が直線楽々抜け出して連覇を達成した。2着は逃げたコパノリッキー、3着は船橋のサミットストーンが入った。米国から参戦したソイフェットは16着に終わった。
ゴールの向こうに、再び世界がはっきりと見えてきた。最後の直線に向いてホッコータルマエは先頭に立つと、粘るコパノリッキーとの差をグングン広げていく。何と4馬身。昨年に続く連覇を圧勝劇で飾った。「強かったですね。またひとつ上に行けた感じです」と幸。西浦調教師も「ホッとしています。最高のレースだったと思う」と喜びをかみしめた。
好スタートを切ったが、コパノリッキーを先に行かせて2番手をキープ。「逃げることも考えたけど、コパノリッキーがいいスタートを切ったので見ながら行きました」と幸。3、4コーナーで余裕たっぷりに並びかけ、最後は独壇場となった。「手応えは抜群。直線に向いた時に勝てるな、と思いました。ちょっと先頭に立つのが早かったですけどね」と会心の表情だ。
前走のチャンピオンズCで待望のJRA・G1初制覇。その後は回復が早く、思い通りの調教をこなして臨んだ。「レースへ前向きで、馬が走ることを楽しみにしていた。それが良かった。それに秋に入ってから、それまでより成長しました」とトレーナーは目を細めた。
これでG1は、中央、交流戦を合わせて7勝。「すごい馬です」と主戦は言う。最多勝はヴァーミリアンの9勝だが、「超えられるだけの馬。目標にしたい」。次走に予定している川崎記念(1月28日、川崎)は、王手をかける一戦となる。
そして、最大の目標に掲げるのはドバイ。今年はワールドCに出走して16着の大敗。「たたきのめされましたからね。このままでは終われない。どこまで通用するか試してみたい」とトレーナー。そして、こうも付け加えた。「まだ成長過程。もっともっと力をつけてくれるかなと思う」。さらにパワーアップさせ、世界の強豪に立ち向かう。(春木 宏夫)
◆ホッコータルマエ 牡5歳の鹿毛。父キングカメハメハ、母マダムチェロキー(父チェロキーラン)。戦績28戦14勝(うち地方11戦8勝、海外1戦0勝)。総収得賞金8億545万6000円。G1勝利・13年かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典、14年川崎記念、チャンピオンズC。ほかに重賞4勝。生産者・北海道浦河町の市川フアーム。馬主・矢部道晃氏。栗東・西浦勝一厩舎所属。
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12月29日(月)に大井競馬場で行われる第60回東京大賞典(3歳上・GI・ダ2000m・1着賞金7000万円)の枠順が、25日確定した。
7日のチャンピオンズCを制したホッコータルマエ(牡5、栗東・西浦勝一厩舎)は3枠6番、今年GI・3勝のコパノリッキー(牡4、栗東・村山明厩舎)は4枠7番、帝王賞でコパノリッキーを下したワンダーアキュート(牡8、栗東・佐藤正雄厩舎)は7枠14番となった。
また、米国から参加のソイフェット(セ6、米・L.パウエル厩舎)は5枠10番に入った。発走は16時30分。枠順は以下の通り。
( )内は性齢、騎手、調教師
1-1 キタノイットウセイ(牡4、宮崎光行、北海道・松本隆宏)
1-2 クリソライト(牡4、戸崎圭太、栗東・音無秀孝)
2-3 トウホクビジン(牝8、横川怜央、笠松・笹野博司)
2-4 ハブアストロール(牡4、左海誠二、大井・森下淳平)
3-5 ロイヤルクレスト(牡6、古川吉洋、美浦・鈴木伸尋)
3-6 ホッコータルマエ(牡5、幸英明、栗東・西浦勝一)
4-7 コパノリッキー(牡4、田辺裕信、栗東・村山明)
4-8 フォーティファイド(牡9、矢野貴之、大井・渡辺和雄)
5-9 トーセンアレス(牡7、張田京、浦和・小久保智)
5-10 ソイフェット(セ6、K.デザーモ、米・L.パウエル)
6-11 シルクメビウス(牡8、桑村真明、北海道・角川秀樹)
6-12 ハッピースプリント(牡3、吉原寛人、大井・森下淳平)
7-13 サミットストーン(牡6、石崎駿、船橋・矢野義幸)
7-14 ワンダーアキュート(牡8、武豊、栗東・佐藤正雄)
8-15 プレティオラス(牡5、本橋孝太、大井・森下淳平)
8-16 ローマンレジェンド(牡6、岩田康誠、栗東・藤原英昭)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。
東京大賞典に外国馬が出走する、いろいろなまとめ
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11日、東京大賞典(12月29日・大井競馬場・ダート2000m)に米国馬1頭が参戦の意思を表明した。海外馬の出走は同競走史上初となる。
複数の米国馬が予備登録後、選定され出走を決定したのがソイフェット(Soi Phet セン6歳、米国・パウエル厩舎)。昨年、現オーナー陣営に購入されると、オーナーたちの期待に応えるかのように4連勝。勢いに乗って臨んだオーサムアゲインS(GI・サンタアニタ、ダ1800m)では、後にBCクラシックを優勝するムーチョマッチョマンに続く3着に入線。実力の一端を見せた。今年9月のロスアラミートス・マイルでは、コースレコードを更新して優勝するなど、スピードのある競馬を見せている。
「普段はおとなしいジェントルな馬だが、輸送に強く、レースでは闘争心の塊」とパウエル調教師が語るように、長距離輸送は問題ない。また、「今回の出走ならびに遠征を成功させることに対して、私たちは大きな希望を持っておりますし、またこの機会がサンタアニタ競馬場・大井競馬場間の交流において新たなきっかけになることを願っています」と、強い出走意欲をもっている。
東京大賞典は、2011年に国際GIに格付けされてから3回施行されているが、第60回となる今年、初めてJRA馬・NAR馬と米国馬が激突。地方競馬史に大きな足跡が刻まれることになりそうだ。