園田競馬でパドックの見方を教えてくれる今野調教師

 

<夏だ!! 競馬だ!!>

 夏だ!! 競馬だ!! 夏競馬限定企画の今回は兵庫県の園田競馬へ福娘・平本果那記者が出陣。「その金ナイター」として親しまれる関西圏唯一のナイター開催で、JRA今野貞一調教師(38)が特別講師となり「ナマ競馬講座」を受けた。パドックの見方からスタートの重要性まで、プロの目による教えを授かった福娘が、JRAでも夏競馬の完全攻略を目指す。

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 講義編 日が暮れかけてもまだまだ暑い。7月24日のその金で現役JRA調教師による「ナマ競馬講座」開催だ。ナイター競馬のパドックをじっと見つめる“先生”は今野師。隣には今回の“生徒”平本記者。この日、馬券で勝つことはもちろん、夏競馬攻略につながるヒントをもらおうと真剣なまなざし。講座開始の8R、同師の目が光る。

 ◆1、まず顔を見る

 今野師 走る馬は品のあるいい顔をしていますし、小顔の方が走ります。競走馬の構造上、頭が重いと走りにくい。首を振って走るので顔の重さはバランスに重要な役割を果たします。

 ◆2、夏負けしてないか

 今野師 夏負けしてくると、歩様が硬くなりコトコトしてきます。歩幅、ストライドも小さくなります。四肢のどれかが必ず地面に着いている常歩(なみあし)で速く歩けている馬はストライドが伸びています。トモ(後肢)の力強さや柔軟性の目安にもなります。

 「夏競馬のパドックでも生かせそう」と平本はノートをとりながら、周回する馬にも目をやる。チェックした(6)アルボルデヴィダは「3歳牝馬らしく小顔で、歩様も柔らかくて伸びやか」。(6)を軸に3200円分購入した。

 結果 (6)は差されて3着もワイド(6)(7)が的中。500円分に対して5・8倍で2900円。取りガミ…。

 今野師 いや、そこは買い方でしょう(苦笑い)。

 続く9Rは(6)がダントツ人気だが、少し太い? 

 ◆3、仕上がり具合は?

 今野師 地方競馬の場合は使いながら仕上げる面もあると思うので、筋肉の張りなどをよく見た方がいいですね。パドックで馬を後ろから見られるのであれば、トモの上や横の肉付きを見るといいですね。その部分の筋肉は走るときの推進力につながりますから。

 (6)トリレンマを後方から見続けた平本は「張りは十分」と軸に選択。2200円分を購入した。

 結果 (6)は見事に快勝し、馬券ゲット。ヤッター! ただ、夏場は暑さで馬の体調管理が難しく、追い切りでいっぱいに追えないケースもある。各陣営は競走馬の体調と相談しながら調教の強度を決めていくので、ここは結構大事かも。逆にソフト追いだからといって、軽視すればいいわけでもないので難しいところだが。

 ◆4、スタートは重要!!

 今野師 ゲートは馬にとっていちばん苦しいところです。駐立からの発進はこたえますし難しい。小回りでは特に大事です。一般的に、トモの甘い馬はゲートが遅い傾向にあります。

 メーン10Rは重賞の兵庫サマークイーン賞。すっかり日も暮れて、パドックを取り囲むお客さんも多い。

 今野師 園田競馬のナイターは本当にいい雰囲気ですね。中央競馬とは、また違う楽しさがあると感じます。中央、地方関係なく競馬を楽しむ文化がもっと定着してくれればと、一関係者として思います。

 実戦編 ここで今野師も馬券を少し購入(※交流競走に管理馬を出走させていない日であれば、基本的にJRA調教師も地方競馬の馬券は購入可能)。(9)ピッチシフターはここ2走、JRAの馬も出走した統一重賞で連続4着。「地方の馬同士となれば、経験が違うのかなと思います」。(9)を1着に固定した3連単で相手は(1)(2)(5)(10)(12)の計20点。

 平本は「(9)よりパドックが良く見えました。先行力もあるので」と教えを生かした上で、軸に(5)エーシンサルサを選択。3連単BOXと、(5)1着固定で(1)(2)(6)(8)(9)(10)への30点。計4200円分を購入した。

 結果 (9)が出遅れて最後方から。頭を抱える今野師に対し、平本はニンマリ。2番手から抜け出して(5)が快勝し、2着に(1)。(9)は猛然と追い込んだが3着…。

 平本 今野師の言う通りスタートは大事ですね。

 今野師 そうですね…。(9)は強かったですよ。ゲートや展開で着順がコロコロ変わるのが競馬です…。

 的中した平本だが、配当は4270円でプラス70円…。一方の今野師は1着固定で涙も、軸の(9)と相手5頭が1~6着と“6連複”があれば大的中だった。

 今野師 選んだ馬は全部来たんですけどね…。平本さんじゃないですが、買い方ですね。点数を絞りすぎました(苦笑い)。馬券に限らず、競馬は難しいですし、まだまだ僕も勉強中の身です。でも、園田は本当に楽しかったです。いい経験をさせてもらいました。

 先生、生徒とも競馬の楽しさ、難しさをあらためて痛感した金曜の夜だった。【取材・構成=伊嶋健一郎、平本果那】

 ◆今野貞一(こんの・ていいち)1977年(昭52)4月24日、大阪府八尾市生まれ。大学在学中、20歳を過ぎてから初めて乗馬を体験し、競馬の世界を志す。卒業後に牧場勤務、競馬学校をへて05年に栗東・大久保龍志厩舎で厩務員、調教助手。その後、宮本厩舎に移り、11年に調教師免許取得。受験2年目でのスピード合格で33歳の若さだった。12年3月に厩舎開業。JRA通算成績は636戦47勝。

 ◆その金ナイターとは 12年9月、園田競馬場でスタートした関西初となるナイター競馬。今年の開催は5月22日~11月6日の毎週金曜日。開場は午後2時。1R発走は午後3時10分(12R開催日は午後2時50分)で、最終レース発走は午後8時30分。閉場は午後9時。

 
今野師 ゲートは馬にとっていちばん苦しいところです。駐立からの発進はこたえますし難しい。小回りでは特に大事です。一般的に、トモの甘い馬はゲートが遅い傾向にあります。

(※交流競走に管理馬を出走させていない日であれば、基本的にJRA調教師も地方競馬の馬券は購入可能)
 
今野調教師
トウショウフリークが有名ですね。