NARグランプリ2015年のまとめ

 2015年のJRA賞年度代表馬はモーリス、リーディングジョッキーは戸崎圭太だった。

 彼らとは別に、日本にはもう一頭の年度代表馬と、もうひとりのリーディングジョッキー、リーディングトレーナーなどのタイトルホルダーがいる。大井や川崎、船橋、名古屋、園田など、地方競馬で活躍した馬やホースマンである。

 そうした人馬を表彰する「NARグランプリ2015」が、2月4日(木)、都内のホテルで行われた。

 年度代表馬に選出されたのは、JRA勢が相手となった川崎記念で4着、かしわ記念と帝王賞で3着と健闘し、浦和記念を勝つなどしたハッピースプリント(牡5歳、父アッミラーレ、大井・森下淳平厩舎)だった。年間を通じて高いレベルで活躍したことが評価され、2歳時につづく2回目の受賞となった。4歳以上最優秀牡馬のタイトルも同時に受賞した。

 2歳だった'13年は北海道・門別の厩舎に所属していたが、3歳になると南関東のクラシックを戦うため森下厩舎に移籍。南関東の皐月賞にあたる羽田盃、日本ダービーに相当する東京ダービーを勝って南関東二冠馬となるも、三冠のかかったジャパンダートダービーではJRAのカゼノコの強襲に遭い、鼻差の2着に惜敗。年度代表馬の座こそ、大井記念、浦和記念などを勝ったサミットストーンに譲るも、3歳最優秀牡馬のタイトルを獲得した。

大人びている、というハッピースプリントの強み。

 このハッピースプリントのよさについて、森下調教師はこう語る。

 「うちの厩舎に来た3歳の早い時期から精神的に成熟していました。もともと大人びていたところが、この馬の強みのひとつだと思います。利口で、人間の指示に従順で、頭のいい馬です。また、年齢を重ねて体質的にも強くなり、レースを使ったあとの反動が少なくなってきたように感じます」

 主戦騎手の宮崎光行は、「レースに行ってもおっとりしていて、多少気合いをつけても掛からない。もっと前向きな姿勢で走るようになってくれると、よりいいですね」と話している。

 
 
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